股関節の原因

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外傷や過剰な使用が原因になっていることが多いのが股関節の痛みです。放置しておくと悪化していく危険があるため、早めに問題を洗い出して対応しておけば、治療が効果を発揮したり、簡単なストレッチや体操によって症状を改善できる可能性も高まります。

まずは急にランニングやマラソンを始めると、股関節に負担がかかって痛みの原因になるケースがあります。特に柔軟性のない状態であると危険が高まるので、体を動かす前にストレッチやウォーミングアップを十分に行っておくと、症状の予防につながります。

日常の動作やスポーツばかりが原因ではなく、病気が関与している場合もあります。たとえば、変形性股関節症はその中でも重要なものです。かつての外傷や摩擦によって変形が起こり、スムーズに動かなくなったり、炎症が起きます。形が変わってしまうためにうまく動かなくなり、可動範囲が狭まって生きます。痛みだけではなく、治療しないと変形の症状も進行してしまうため、早く対応しておくことが求められます。

生まれたときから脱臼が起きている先天性股関節脱臼を持っている赤ちゃんもいます。膝の高さが異なったり、スムーズに動かないことで気付かれる場合があり、大きくなってからも変形が生じやすくなる傾向にあります。

女性に多いのが骨粗しょう症です。中度から重度になると、股関節の痛みを抱えるケースが出てきます。女性なら加齢に伴うエストロゲンの減少が関与しており、骨密度の低下が原因で現れる病気です。

同じ箇所に負担がかかり続けると、疲労骨折を起こすこともあります。足の付け根の前面に痛みを感じ、細かく分けると圧迫骨折と横断骨折が存在します。

大腿骨頭すべり症も股関節の痛みの原因になり、主に8歳から18歳ごろに多いのが特徴です。過剰に激しい運動や体重によって軟骨に変形や骨折が生じます。膝にも影響する病気です。

この他にも、骨壊死や滑液包炎、内転筋挫傷、外側大腿皮神経痛、股関節屈曲筋群拘縮症等も痛みの原因になる病気です。

股関節の痛みの症状が出たら

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原因は様々なので、自己診断は禁物です。症状が現れたら、まずは病院で検査を受け医師に診察してもらいましょう。原則として、受診する診療科は整形外科となるでしょう。いわゆる顔の整形手術をする美容整形外科ではなく、整形外科ですので、混同しないでください。

まずは股関節の痛みが何の病気によって生じる症状であるかを特定すると同時に、治療の必要性の有無や方針について調べなくてはなりません。ストレッチによって柔軟性を高めるのが望ましい場合もあれば、安静にしているのがベストである可能性もあるため、全ての方に同じ対策は通用しません。

疲労骨折をしているのに、さらに股関節に負荷をかけるような体操や運動をしてしまえば、症状が悪化してしまうのは当然です。そうならないように、詳しく検査を受けておきましょう。

症状の原因によっては、時間の経過と共に痛みが悪化してしまう恐れがあります。股関節が悪くなると歩行にも影響が出かねないため、放置せずに早めに適切な治療をスタートさせておくのが大切です。

股関節をほぐす体操・ストレッチ



柔軟性を高めて日常生活やスポーツによる負担を減らすためには、ストレッチや簡単にできる体操が有効です。人間の体は使わなければ、どうしても衰えてしまい、これは体の柔らかさについても言えるので、時々は意識的に体を動かしておきましょう。

股関節のストレッチとしては、地べたに座った状態で両足を開く股割りのほかにも、立ち上がった状態で片方の脚を曲げ、もう一方は横に伸ばした状態を保つストレッチ、さらに周辺の筋肉の柔軟性を高めるために有効な体操である、膝を両手で抱え込んで胸のほうに近づける体操、片方の足首を手でつかんで後ろ側に引き付ける運動を組み合わせるとよいでしょう。

運動不足の方はもちろん、スポーツをしている方でも、十分なストレッチを行う習慣がない方は意外に多いものです。特に指導者がいる部活等でない限り、入念に準備体操やクールダウンはしない傾向にあるため、怪我の原因になるばかりではなく、疲労が抜けるのに時間がかかる結果にもなってしまっています。

股関節のストレッチはもちろん、体のほかの部位についても柔軟性を高めておくのは大切です。難しい専門知識が要るわけではないので、たとえばラジオ体操をしておくだけでも、何もしないでいるよりも体を良好な状態に保ちやすくなるでしょう。

ストレッチをする際に注意してほしいのは、痛みを感じるほどに頑張るよりも、無理をせずに心地よく感じる範囲で行うのが基本である点です。あまり大きな負荷をかけると、股関節を傷めてしまいかねません。

股関節の痛みの病院での治療

症状の原因によって治療法も変わってくるため、ここでは代表的な原因である変形性股関節症の治療について見ていきましょう。大きく分けると、これ以上の悪化や痛みを軽減するための保存療法と、手術の2つがあります。

保存療法では、すでにすり減ったり変形した部分を回復させる効果はなく、現在ある股関節の痛みを和らげたり、症状がいっそう進行していくのを防ぐのが主眼となるため、治療をしても元に戻るわけではありません。

保存療法としては、まず運動療法があります。大腿四頭筋(太ももの筋肉)や股関節の周囲の筋力強化を行います。また、日常生活で負担をかけないようにしておくのも重要で、症状の進行度にもよって事情は異なるものの、一般に適度な体重にコントロールする(肥満を防ぐ)ことやハイヒールを避ける、長時間歩き続けない、正座のように負担の大きな動作を回避するといった注意点があります。

血流を改善して股関節や筋肉の痛みを和らげる方法として温熱療法があり、ホットパックや極超短波、入浴が使われています。装具療法として、体の外側から器具によって支える方法を使用する場合もあります。

治療に薬を使う際には、関節内注射によって軟骨の保護や修復、鎮痛作用の期待できるヒアルロン酸を注入したり、ステロイド剤を利用するほか、傷みや炎症を抑える消炎鎮痛剤の使用、体の外から塗る外用薬があります。

変形性股関節症の治療として手術をすると、骨を切るだけではなく、人工関節に置き換えるケースがあります。症状は大きく改善される可能性があるものの、患者さんにとって、精神的にも簡単に選べる選択肢ではないため、手術を余儀なくされる前に悪化を止めておくのが理想でしょう。

ジョギングやマラソンは要注意

健康のために走り始める方は少なくありません。軽いジョギングからマラソンまで、程度の差はあるにしても、有酸素運動であるランニングが健康に寄与するのは広く知られているところで、ランニングシューズさえ準備すれば始められる手軽さが人気です。そのため、他のスポーツは苦手な方でも簡単に手を付けられます。

一般論で言えば、ジョギングにしろマラソンにしろ、運動不足を解消するのは体によいものの、時には股関節の痛みをはじめとした怪我にもつながりかねません。他にも、膝や足首、腰に負担をかけてしまいます。

ランニングによる怪我を走るためには、まずは準備体操をしっかりして、体を温めておくことが大切です。ちょっとジョギングに出るだけだと思って、いきなり走り出すのは危険です。走り終わったらストレッチ等のクールダウンも重要です。さすがにマラソンを走るような方であれば、こうした基本的なポイントは押さえているケースがほとんどでしょう。しかし、ジョギングの範囲にとどめている方の間では、意外に根付いていない習慣であるようです。

これに加え、筋肉量も重要です。適度な筋肉がバランスよく付いていると、股関節や膝への衝撃の一部を吸収してくれるので、痛みを感じる危険性は少なくなります。ジョギングやマラソンにおいては繰り返し負荷を与え続けるため、ちょっとした差でも、トータルで考えると大きな違いにつながります。

靴はランニングシューズのように走りやすく、軽くて衝撃を吸収してくれる素材のものがよいでしょう。着地の際に真っ先に地面にぶつかる部分なので、ここで負担を小さくしてくれれば、ジョギングを続けても脚や股関節にかかる負荷が小さくなります。

妊娠中の股関節の痛み

妊婦の方は骨盤が開くため、妊娠中に股関節に痛みを感じるケースがあります。妊娠するまでは平気であっても、このような変化が生じるケースがあり、ひどい時には歩くのも辛くなります。

どうしても妊娠中には体の色々な変調をきたします。つわりは特に有名であるものの、それ以外にも股関節の痛みが生じたり、妊婦検診によって糖尿病や子宮筋腫が発見される場合もあります。ただし、これらは必ずしも母体や胎児に危険を及ぼすとは限らず、出産の支障にもならずに無事に済むことも少なくないので、まずは落ち着いて情報を分析しましょう。

股関節の痛みがひどくて日常生活の障害になるようなら、悩んでいないで医師に相談しましょう。一人で抱え込んだところで、医療についての専門知識がないうえ、妊娠中で気持ちが不安定になっていると、どうしても悪い方向に考えてしまいがちです。思い詰めるよりも、医師に相談して解決策を探りましょう。

妊娠中は胎児への影響も考慮しながら治療方法も考えなくてはならないので、医師とよく相談しながら様子を見ていきましょう。

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