背中の痛みの原因

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大きく分けてみると、背中の痛みの原因は日常の姿勢や習慣に基づくものや捻挫・骨折等の外傷、病気に分類できます。様々な分野に渡っているため、簡単に考えていると命に関わる内臓疾患が隠れている可能性もあるのです。

いわゆるコリがひどくなって背中の痛みになっているケースでは、長時間の座り仕事や姿勢の悪さが原因になっていることが多く見受けられます。ずっと座りっぱなしになっていると血流が悪くなったり、筋肉の緊張状態が続いてしまうため、時折体勢を変えて体をほぐしておくのが望ましいでしょう。

さらに、姿勢が悪ければ本来は上手に分散されるはずの体重が一部に集中してしまい、負担が偏ってしまいます。これが原因で背中の特定の部分に痛みが生じてしまう場合もあります。

背中だけではなく、肩や腰、首にもコリや痛みを感じ、姿勢の悪さや長時間のデスクワークに思い当たる部分があるのであれば、こうした部分に原因がある可能性があるため、ストレッチをしてみたり、時々は立ち上がって歩いたりして体を柔らかい状態に保つように心がけてみてください。

ひどい肩こりが発展して背中の痛みにまで発展するケースもあります。最初は肩に症状が出ていても、範囲が広がって周りにまで広がってしまうのです。この場合にも、同様の対策をまずは試してみるとよいでしょう。

背中の痛みと病気

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内臓に病気がある場合もあれば、それ以外の部分に背中の痛みとなる病気が生じているケースもあります。それぞれによって、左側や右側のどちらかに症状が出やすかったり、肩や腰との関係がある場合もあります。

まずは背中の痛みの原因となる病気の中でも高頻度で見られるのが筋筋膜痛症候群(きんきんまくつうしょうこうぐん)です。筋肉に負荷をかけすぎたり、急性の筋肉の障害によってしこりのようなものができてしまうもので、簡単に言えばひどい筋肉痛やコリです。触れると激しい痛みを感じます。

椎間板ヘルニアも原因として少なくありません。腰にくるイメージもあるものの、背中もつながっているため、特に下部であると症状が出やすいのです。

背中の痛みの原因となる内臓疾患は多種多様です。深刻なところでは悪性腫瘍もその一つで、死亡率が高いすい臓がんをはじめとして胃がんや肝臓がん、腎臓がんといったものが該当します。これらは発見が遅れると死につながる病気です。

もちろん、命に関わる病気ばかりが背中に症状をもたらすわけではありません。脂肪腫のように良性腫瘍のケースもあれば、気管支炎や気胸の可能性もあります。なお、気胸とは肺や気管支、食道、胸壁等が損傷を受けて空気が肺以外の胸腔へ入り込んでいる状態を指します。

この他にも、尿路結石や狭心症、胃潰瘍も原因になります。狭心症は胸、胃潰瘍はお腹に痛みが現れるイメージをお持ちの方が多いでしょうが、その裏側である背中にも症状が現れることがあるのです。

このように多くの病気が背中の痛みを引き起こす原因になる可能性を秘めています。特定の内臓の疾患であれば、左や右といった位置によってもある程度の予測を立てられるので、ポイントを押さえておきましょう。

背中の左の痛み



左側にある臓器としては、心臓や肝臓、すい臓があり、このほかに、左右に対になっている腎臓や肺もあります。そのため、肝炎や肝硬変、すい臓がん、狭心症や心筋梗塞といった病気が原因の可能性があります。

ただし、肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるほど症状が出づらく、すい臓がんも初期症状はほとんどないため、発見された時には末期になっている可能性が高いとされている病気です。そのため、背中の左側に痛みを感じ始めたばかりだとしても、早期の段階であるとは限りません。

背中の右の痛み

右側に症状が集中している場合には、胆のうや十二指腸の病気である可能性があります。具体的には胆のう炎や胆石、十二指腸潰瘍といったものが挙げられます。

肝臓で作られた胆汁は胆のうに蓄えられ、胆管を通って十二指腸に移るものの、胆のうや胆管に炎症が起こると流れが滞ります。これが胆のう炎や胆管炎で、食事に含まれる脂肪の量が多い方は要注意です。

胆石は石ができてしまうもので、激痛が起きるケースがある反面、まったく無自覚の方もいるため、必ずしも自覚できるとは限りません。

十二指腸潰瘍はストレスが原因になっていることが多く、胃酸の過剰な分泌によって粘膜が傷つけられて発症する傾向にあります。

背中の異常が出たら

一般に腹痛が症状と考えられている胃潰瘍であっても、背中の痛みにもつながります。お腹や胸とは紙一重なので、どちらに症状が出てもおかしくはないのです。内臓に問題があれば、腹痛や胸痛のほかに背部痛が生じる可能性もあるのです。

したがって、背中に痛みが出たときにも、内臓の病気の可能性は否定できません。また、左側か右側か、あるいは上部か下部であるかによってある程度の検討は付けられても、しょせんは限界があります。そのため、長く続いたり激しく症状が出るようであれば、早めに病院に行っておいたほうがよいでしょう。

ストレスによって軽い胃潰瘍になっている場合から、すい臓がんをはじめとした生死に関わる問題が原因であることまで様々なので、まずは何が問題であるかを特定しなくてはなりません。治療を始める時期が早ければ回復しやすいケースもあるため、まずは早期発見が重要です。

病院に行っても、治療が必要な病気でなければ無駄足になるという話も聞くものの、診察を受ける時間と診療代で安心を買えると考えれば、決して割りの悪い話ではないと思います。手遅れになってしまうリスクを考慮すると、やはり医師の診断を受けておくのは大切です。

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