年齢によって、肩の痛みの原因となる頻度が多い項目が変わってきます。10代や20代前半であればスポーツが原因になっていることが多く、テニスや野球が代表的です。筋トレの際に腱や関節に負担をかけてしまう場合もあります。
これに対し、中高年になるといわゆる四十肩や五十肩が原因である頻度が高くなり、これはいわゆる加齢による痛みです。コリがひどくなった結果である場合もあります。
さらに、これらのほかにも病気によって症状が引き起こされているケースもあります。骨や関節だけではなく、時には内臓疾患が原因で肩の痛みが生じる場合もあるため、実は体からの重大なメッセージである可能性もあるのです。
肩の痛みの原因となる病気としては、頚椎にまつわる変形性頸椎症、頸部椎間板ヘルニア、頸椎後縦靭帯骨化症、胸椎の炎症や腫瘍、内臓疾患として肺がんや肺腫瘍、心筋梗塞、狭心症、高血圧といったものがあり、他にうつ病によるケースも見られます。仕事で長時間パソコンを使い、目の疲れが原因になっている人も少なくありません。
同じ症状であっても、このように様々な原因が考えられるため、肩に異常を感じた場合には一時的な処置で治る場合もあれば、病院に通って長期的な治療を行わないと日常生活にも支障をきたしてしまったり、内臓疾患が悪化してしまうケースも存在するのです。
肩の痛みの症状
まずは急性の症状、つまり急激に激しく肩の痛みが生じたのか、それとも慢性、つまり徐々に悪化して継続している状態であるのか、この基準で区別できます。スポーツをしている最中に急に関節に激痛が走ったなら前者に該当します。
症状の程度も重要です。肩コリの延長線上に存在するものなのか、腕を上げられないほどの痛みであるのかによって、日常生活への影響も出てきます。場合によっては、しびれや頭痛を伴うような場合もあります。
肩以外の痛みの有無による区別もできます。特に首や背中、腕(上腕)は一緒に症状が出やすい部位です。原因によってもこれらの現れ方は異なるため、辛いのなら早めに病院に足を運んで診断を受けておいたほうがよいでしょう。
一般に症状が早いうちに治療を始めれば治りやすい傾向にあります。そのため、肩関節の状態を悪化させてしまう前に対応しておくことが、痛みを解消するために重要な役割を果たすのです。湿布を張ったりテーピングをする程度の応急処置で十分なのか、それとも本格的な治療が必要であるかを確認しておけば、安心できるでしょう。
肩の痛みを解消するための治療
原因に応じた治療を行わなくてはならないため、肩の痛みが生じている理由を特定するところから始めなくてはなりません。たとえば、内臓疾患が原因であるのに関節をいたわっても根本的な解決にはなりません。
肩関節の痛みに対して病院で行う治療として一般的なものとしては、理学療法として温熱療法やけん引療法があります。さらに、消炎鎮痛剤や内服薬、局所注射を用いる薬物療法も行われています。
さらに、運動療法によって筋肉の療法を増やしたり、肩の症状がひどいうちは安静にして炎症が収まるのを待つのも治療の一環です。当然ながら、これらは患者さんが自分で気をつけなければならない部分もあるため、完全に医師に丸投げできるわけではありません。
筋肉量を増やすのが治療の一環になるとしても、無理をすると症状を悪化させる原因になるだけなので、あくまで医師の指示に従っておくようにしましょう。肩を酷使してますます悪くなってしまったのでは治療どころではありません。
この他にも原因によって様々な対応が必要になります。内臓の病気であれば、それに対する治療を行うことになるため、まずは何が問題であるかを特定してから、それを解消する方法を選ばなくてはなりません。
病院・整形外科の選び方
肩関節の痛みがあるのなら、病院の中でも整形外科が担当になるケースが多いでしょう。もちろん、内臓の疾患によって症状が引き起こされていれば内科等の領域になる場合もあるため、そちらに回される可能性もあります。
病院や整形外科に通うのなら、当然ながら正確な診断をしてもらい、質の高い治療を受けたいものです。そうなれば、優れた専門医がいる病院を見つけておくのが得策です。漠然と評判が良いだけではなく、肩関節の問題を解決する点で実績を残していればなおさら理想的です。
とは言っても、よほど症状が深刻でない限り、わざわざ全国の病院を対象にして探すのは現実的ではないため、ある程度近場で済ませることになるでしょう。そうなれば、実際に候補になる医療機関は限られているため、それらについて簡単に調べておくだけでもよいでしょう。
たとえば、ネットで検索してみれば病院の口コミ情報が見つかるケースがあります。あるいはホームページを見てみるとこれまでの実績や医師の得意分野が掲載されている例もあるので、それらが参考になる可能性があります。ちょっとした手間を惜しまないだけで、時には有益な情報が得られるのです。
整形外科の専門医であっても、担当するのは肩だけではなく、腰や膝、首をはじめとして全身に渡ります。その中でも得意分野がある医師もいれば、オールマイティな医師もいるので、そうした性質について情報を得られれば、良質な治療や診断の可能性が高まります。
肩関節の役割と構造
人間の進化の過程で手で道具を使う点で他の動物との違いを獲得してきました。肩関節は手を最大限に活用するために進歩を遂げており、他の関節と比較しても可動域が広く自由に動かせるように発達してきました。そのため、腕をぐるぐる回すこともできれば、上げ下げや左右に開いたりできます。
そんな肩関節は肩甲上腕関節・胸鎖関節・肩鎖関節から構成されており、さらに僧帽筋や三角筋などの筋肉によって守られると共に様々な動きができるようになっています。さらに、スムーズに動けるように滑液包が存在しており、滑液包の内は滑液やリンパ液が入っています。
腕の重みに耐えながら自由な動きを実現できるようになっているのは、肩関節の働きでもあります。普段は気に留めなくても、痛みによって腕が上がらなくなってしまうと、そのありがたみを実感できるはずです。
肩こりは油断できない
現代人は慢性的な運動不足に加えて長時間のデスクワークやパソコンの使用が常態化しています。そのため、ずっと同じ姿勢を続けることで血流は悪くなり、筋肉の緊張状態が続いてしまい、肩こりを感じる人は多くなっています。携帯電話やパソコンの画面を見続けることが原因で眼精疲労になり、それによって肩こりや意味を訴える方もいます。
ちょっとしたコリであれば、何日か放置しておけば自然に抜けていく例もあるものの、重度な肩こりが慢性的になると、弊害として偏頭痛を起こすケースもあり、普段の生活に大きな支障を及ぼしかねません。そのため、早めの対応が肝心です。
ちょっとしたストレッチをしたり、同じ姿勢が続いたら軽く関節を動かしておくだけでも肩こりの予防になったり、症状の緩和につながることもあるので、放置するのは避けましょう。原因となっている仕事を辞めるのは現実的ではないにしても、他の方法によって解決できる可能性があるのです。
肩こりは一般的な症状であるため、あまり難しく考えずに放っておく方が多いのが現状です。しかし、症状が悪化すると痛みに変わってしまう危険性もあります。病院に行くほどでなければ、自分で行える対策を講じておきましょう。
運動する習慣がないのであれば、ストレッチをするだけでも血行の促進や筋肉をほぐして健康に近づくための第一歩になる可能性があります。肩だけではなく、全身について時々ストレッチをするようにしてみるのは手軽にできる健康習慣です。アスリートのように本格的に行わなくても、テレビを見ながらでも柔軟性を高めることはできます。
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